レンズ選びの決め手として3つの要素を確認しました、それは「素材」「設計」「表面処理」でしたね。さらにその中から今回「素材」について考えると、「屈折率・比重・アッベ数」という3つの項目がレンズ素材の重要なポイントとなります。これが「視力補正能力が高く、そして薄く、軽く美しいメガネレンズ」を追求する為の基本的な数値となっているのです。
左の写真のレンズは真ん中でレンズの厚みが違いますが、いずれも同じ視力の方のレンズです。
レンズの厚みは一般に屈折率という数値で表されています。屈折率の数値が大きいほど薄いレンズということになりますので、この写真のレンズの場合、「屈折率1.70」は「1.50」より薄型レンズということになりますね。
目に見える光を可視光線といいます、これをプリズムに通すと図の様な7色の光に分かれていきます、これは光がレンズの厚い方に曲がる性質があることで、波長の長さによって屈折の度合いが異なる為です。
本来、光は同時に到達するものですが、この波長の長さによって屈折率が異なることから、色が分解(ズレ)される事を色収差と呼び、そのにじみの程度を表す単位をアッベ数といいます。このアッベ数の値が高い方が色のにじみが出なくなります。
この表でおわかりの様に屈折率を基本にアッベ数、比重との関係を探ってみると、屈折率が高く厚さが薄くなるにしたがってアッベ数は下がり(にじみが出やすい傾向)比重は大きく(重い)なる傾向にある事が分かります。
左の図の様に屈折率・比重・アッベ数の絶妙なバランスと設計・表面処理などが複雑に絡み合ってそれぞれのタイプで最善を求めたレンズが生まれてきます。
「Aさん」「Bさん」「Cさん」のようにそれぞれのライフスタイルやTPOに合わせて最適なレンズを選ぶべきですね。
では、どのようなレンズを選べば良いかという事になりますが、これまでの説明ですでにお気付きの様に、レンズの屈折率だけで選んではお使いになる方にとってベストのレンズ選びとはなりません。一般的には屈折率が高くなると価格は上がっていきます、それをあたかも均一価格で割安感を出し、さほど「度」の強くない眼鏡使用者に対し超高屈折レンズで集客をしている所や、あるいは高額な超高屈折レンズを意味無く強くおすすめしている業者が見受けられます。これらの販売にはアッベ数や比重を考えたレンズ選びをしているとは思えません、つまりお客様にとってベストなレンズは選べないと考えられるのです。
ぜひメガネのタニの「メガネ大好き社員」にご相談してみてください。
必ずご納得頂けるレンズ選びが出来ると思います。